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【決算成績表】エイピア・ソラコム・クダン──3社比較で見える明暗

決算成績 Appier Group株式会社(4180)

決算採点簿|3社の実力を数字と戦略で検証

今回の3社(エイピア〈4180〉、ソラコム、クダン〈4425〉)の決算は、それぞれの成長ステージと課題がはっきりと浮き彫りになった内容でした。

同じ「成長株」として括られがちな3社ですが、中身を見れば明暗は分かれます。

売上・利益・財務の健全性といった数字の面だけでなく、その数字の裏にある「成長ストーリーの確かさ」にも注目して、あえて厳しい採点を行いました。

この成績表は、短期の株価変動を占うものではなく、中期〜長期での投資判断に役立つよう意識しています。

決算直後の熱気だけで判断すると冷静さを欠きやすいですが、数字と戦略の両方から整理することで、次の四半期でどこを見ればいいのかが明確になります。


成績表

エイピア(4180) — 90点(優)
売上は前年同期比26.7%増、営業利益は+111.3%と過去最高を更新。自己資本比率は60.2%で健全。
AdCreative.ai買収効果が即数値化し、生成AIを活用した高利益率プロダクトの比率も上昇。成長ストーリーの確かさは3社中トップ。

ソラコム — 80点(良)
売上は17.7%増、純利益は約40倍。自己資本比率は78.8%と安定。
海外売上比率は47%に達し、丸紅協業での新市場開拓余地が大きい。ただしEBITDAマージンは7.8%と、二桁化には改善余地あり。

クダン(4425) — 65点(可)
売上は17.0%増、営業黒字化(約900万円)を達成。自己資本比率91.3%、有利子負債ゼロと財務面は盤石。
しかし黒字幅が小さく、一時的な可能性も。新製品「Kudan PRISM」によるPoC→商用化加速が実現すれば化ける可能性あり。


総括

今回の決算は、安定感と成長の両立を見せたエイピアが頭一つ抜け出しました。利益率・事業構造・成長ドライバーのすべてが噛み合っており、決算ごとに着実に株主への信頼を積み上げています。

ソラコムは海外売上の比率と丸紅協業という将来の武器を持ちつつも、利益率改善という課題が残ります。もし二桁マージンに戻せれば評価は一段上がるでしょう。

クダンは黒字化という重要なマイルストーンを達成しましたが、規模の小ささゆえに一時的な黒字に終わるリスクが高い段階。次の四半期で連続黒字と商用案件化の数字を見せられるかが運命を分けます。

これはあくまで私の決算分析に基づく主観であり、投資は自己責任でお願いします。

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