決算直前、私がレーザーテックに全力投資した理由|成長株としての確信と3つの判断軸
今週、私のサテライト戦略の主軸銘柄「レーザーテック(6920)」が決算を迎えます。
3年で資産を2.5倍に──「RAK戦略」の中でも最も中核を担うこの銘柄について、“決算前”というタイミングで、自らの投資判断を皆様にお伝えできたらと思います。
なぜなら──
この2週間で、半導体関連銘柄が次々と決算を出し、その多くが「売られる展開」となっているからです。
たとえば、日本最大級の半導体製造装置メーカーである東京エレクトロン(TEL)の先週発表された決算は、売上・利益ともに前年を上回る増収増益。
にもかかわらず、株価は決算後に一時ストップ安を付ける勢いで大幅に下落しました。
「織り込み済み」「成長鈍化」「期待外れ」──市場の反応は冷たく、いかに業績が良くても、“次の伸びしろ”を問われる局面に入っているのだと感じます。
その中で、なぜ私はレーザーテックに強気でいられるのか?
その答えは、「他の大手とは異なる、唯一無二の成長ストーリー」があるからです。
これから3日間、私が本気で投資を決断した3銘柄──「レーザーテック(R)」「エイピア(A)」「クダン(K)」の理由を、それぞれ綴っていきます。
第1弾はもちろん、RAK戦略の主軸であるレーザーテック。
今回は「成長期待」「技術優位」「投資判断の覚悟」という3つの軸から、レーザーテックへの想いと分析を共有します。
第1章|東京エレクトロンとは違う、“唯一無二の存在”レーザーテック
レーザーテックは、世界で唯一、EUVマスクブランクス検査装置を商用化している企業です。
この装置は、次世代半導体の要である「EUV露光技術」を支えるもので、競合が存在しない=市場を独占しています。
顧客には、TSMC・サムスン・インテルといった超一流の半導体メーカーが名を連ね、彼らの技術ロードマップが進む限り、レーザーテックの装置は“必需品”として導入され続けます。
そして現在、レーザーテックはHigh-NA EUV(次世代露光)対応の検査装置を開発中。
これは、ASMLが2025年以降に投入する次世代スキャナに対応する装置で、今後10年の半導体製造の行方を左右する最前線の技術です。
🔍東京エレクトロンとの違い:広く浅いvs狭く深い
観点 | 東京エレクトロン(TEL) | レーザーテック(6920) |
---|---|---|
顧客領域 | エッチング・成膜など幅広い分野 | EUVマスク検査に特化 |
技術 | 汎用性・安定性重視 | 最先端・一点突破型 |
市場の競合 | アプライドマテリアルズ、LAMなど多数 | ほぼ独占 |
成長性 | 市場と共に成熟 | 技術革新と共に跳ねる可能性 |
株価反応 | 決算後に売られやすい | サプライズで化けやすい |
TELは「堅実で優秀な企業」です。
長期的な安定性は抜群ですが、市場の評価は「織り込み済み」が多く、高成長のストーリー性には欠けると感じます。
一方、レーザーテックは“一点突破型”の未来志向企業。
High-NAや次世代EUVに先行投資する姿勢は、まだ収益に結びついていない面もありますが、それこそが“株価にまだ夢が残されている”証拠でもあります。
私の視点:「売られる決算」か?「化ける決算」か?
今週の決算は、短期的に「売られるか」「跳ねるか」わかりません。
しかし私が大切にしているのは、“その先”です。
-
なぜこの企業が唯一無二なのか
-
なぜ今この価格帯でも保有する意味があるのか
-
そして、なぜ私は3年先の景色を見ているのか
それこそが、今回の記事で一番伝えたいポイントです。
第2章|“今が高い”ではなく、“未来がどうなるか”で判断する
レーザーテックを語るとき、よく聞かれるのが「すでに株価が高いのでは?」という声です。
たしかに、かつてはPER(株価収益率)が70倍超という時期もあり、その水準を理由に投資を見送った投資家も多くいました。
私自身──2025年7月下旬、PERが20倍を超えていたタイミングで先走って買い付けました。
その直後に株価は下落し、「また高値掴みか……」という焦りと悔しさを味わったのも事実です。
しかし、それでも私はこの銘柄への確信をまったく手放していません。
むしろ今では、私が買った時よりもPERがさらに下がり、買い場としての魅力が高まっていると感じています。
現在のPERは約17.8倍(2025年8月時点)
これは、日本を代表する大型株(日経平均)と同水準か、それ以下の水準です。
かつて“成長株の代表格”として割高視されていた銘柄が、いまやバリュー株のような評価にまで落ち着いている──これは逆に、大きなチャンスだと私は捉えています。
なぜなら、レーザーテックの“中身”、つまり、「成長率と収益性」は、いまだに市場平均をはるかに上回る水準にあるからです。
成長率と収益性で見る“未来の株価”
売上と利益の驚異的な成長率(CAGR)
レーザーテックの企業価値を語る上で欠かせないのが、直近数年の成長スピードです。
以下は2019年3月期と2024年3月期の比較です。
決算期 | 売上高 | 営業利益 |
---|---|---|
2019年3月期 | 約401億円 | 約96億円 |
2024年3月期 | 約1,222億円 | 約418億円 |
この5年間で、売上は約3倍、営業利益は4倍超にまで成長しました。
年平均成長率(CAGR)に直すと、売上で+26%/営業利益で+32%超という、圧倒的な数字になります。
これほどの成長を遂げている企業が、いまPER17〜18倍で買えるという事実は、冷静に見ればかなりの割安感があると私は思っています。
ROE・営業利益率は“トップクラスの収益性”
さらに注目すべきは、収益性の高さです。
-
営業利益率:34.2%(2024年3月期)
-
ROE(自己資本利益率):38.5%
この数字は、あのキーエンスや村田製作所と並ぶ水準であり、単なる成長企業ではなく「超高収益体質の成長企業」であることを意味しています。
つまり、レーザーテックは売上を伸ばせるだけでなく、きちんと利益を残せる会社。
しかも借金に頼らず、自前の資本を効率的に回している──
この構造的な強さこそ、私が信頼して長期保有を決めた理由のひとつです。
ファブ投資再開とHigh-NA導入の「追い風」はこれから
2024年に入り、TSMCやサムスンなどが半導体製造設備への投資を再開しています。
とくに日本国内では、ラピダスや熊本TSMC第2工場の話題もあり、EUV関連の需要は再び息を吹き返しつつあると感じます。
そして──
2025年以降に本格導入されるASMLのHigh-NAスキャナ。
この技術革新に、最前線で対応している検査装置メーカーこそが、レーザーテックです。
High-NA対応装置の量産はまだこれからですが、裏を返せば、その売上が将来一気に伸びる“含み資産”として眠っている状態とも言えます。
“現在の数字”で測れる会社ではない
投資の世界では、「株価は未来を織り込む」と言われます。
その前提に立てば──レーザーテックのPER17.8倍という評価は、「まだその未来を十分には織り込んでいない」と私は判断しています。
私は今、「高PERでも怖くなかった」わけではありません。
むしろ、“高い理由があるか”を徹底的に考え抜いた末の判断でした。
そして今──PERが下がった今こそ、より自信を持って保有できる状況になったと実感しています。
第3章|独占技術への信頼:High-NAに賭ける企業の覚悟
レーザーテックに惚れ込んだ最大の理由──それは「唯一無二の技術を武器に、未来に勝負をかけている企業」だという点に尽きます。
同社は、EUVマスクブランクス検査装置という極めてニッチな分野で、世界で唯一の商用製品を展開しています。
しかも、それが今や半導体最先端プロセスには欠かせない「インフラ」となっている。
EUV時代の“検査”を制した唯一の企業
現在、3nm以下の微細化プロセスではEUV露光技術が不可欠です。
しかし、そのEUVマスクは非常に高精度な構造を持ち、わずかな欠陥でも製品不良に直結します。
この欠陥を検出する技術は、簡単に言えば「顕微鏡を超えた視力」が必要であり、それを商用レベルで提供できる企業は──世界にレーザーテックしかありません。
AMAT(アプライドマテリアルズ)やKLAといった装置大手でさえ、この領域では後れを取り、レーザーテックの“ほぼ独占状態”は現在も続いています。
これは、一時的な流行や特需ではなく、「構造的な競争優位性(モート)」です。
未来への賭け──High-NA対応装置の開発に全力を注ぐ姿勢
そして今、同社が取り組んでいるのが「High-NA EUV対応の次世代検査装置」。
これは、ASMLが開発中のHigh-NAスキャナに対応する、レーザーテックの新たな主力装置となることが見込まれています。
重要なのは、まだ市場が本格的に立ち上がっていない段階で、同社が先行して開発投資を続けているという点です。
研究開発費は年間100億円を超える水準にまで拡大。にもかかわらず、営業利益率30%超を維持しているのは、既存製品の収益性がいかに高く、財務基盤が盤石かを物語っています。
💰「High‑NA EUV対応の検査装置」の価格イメージを添える
現在、レーザーテックが提供しているACTIS A300シリーズ(High‑NA対応のEUVマスク検査装置)は、一台あたり 数十億円規模とされており、アナリストや業界では十数億〜200億円超という推定も報告されています。
実際に世界で唯一のHigh‑NA用検査装置を開発し続ける中、これらの次世代装置は数十億円〜数百億円級/台単位で堂々と売上に計上される案件です。
🔍 セールスインパクトの具体例
-
1台=30〜100億円前後と仮定すれば、
→ 年に数台納入されるだけで数百億円規模の売上が見込まれる -
例えば、3台導入で300億円の売上、
→ 営業利益率30%以上なら100億円前後の利益につながる計算になります -
次世代EUV導入が本格化するほど、これら装置の需要は加速し、
→ 中長期的な収益成長を支える柱になります。
ちなみに、こうした最先端のEUVマスクブランクス検査装置は、驚くほど高額です。
High‑NA対応装置の価格は1台●●億円?
楽天証券のレポート(トウシル)によれば、旧型の「ACTIS A150」でさえ1台あたり80〜100億円と推定されており、次世代の「ACTIS A300」(High‑NA対応モデル)はさらに高額と見られています。
👉 出典:楽天証券トウシル「レーザーテックは“高収益高成長”のままなのか?」
つまり、仮に1台の受注・出荷だけでも、数十億〜100億円超の売上インパクトが期待できるということ。
これこそが、レーザーテックの「1台でも圧倒的に稼ぐ」ビジネスモデルの核心であり、他の装置メーカーとは一線を画す強みでもあります。
※価格はアナリストによる推定であり、レーザーテックの公式発表ではありません。
“投資家が不安になる姿勢”こそ、私は信頼している
このHigh-NA投資こそが、時に**「利益を圧迫している」と不安視される要因**にもなります。
事実、短期的に見れば、装置単価が高い分、受注・納品スケジュールに左右されやすく、決算はブレやすい。
でも私は、こう考えています。
「その不安定さこそ、まだ“本格的な市場が立ち上がっていない”証拠。
つまり、これから伸びる“含み資産”を持っているということだ」
技術が先行し、利益が後からついてくる──
これは成長企業にとって、決してネガティブではありません。
むしろ未来への先行投資を恐れず、真正面から取り組んでいる企業にこそ、私はお金を託したいと思うのです。
High-NA導入が本格化する2025〜2026年、その先頭にいるのは誰か?
ASMLが2025年以降に量産を本格化させるHigh-NAスキャナ。
これに対応した検査装置を、世界で唯一提供できる存在がレーザーテックです。
つまり──2025年〜2026年という“未来の節目”を迎えるとき、
本当の意味で世界の半導体最前線に立っている企業が、レーザーテックである可能性は極めて高い。
そしてそのとき、いまのPER17倍という評価が、
「とんでもなく割安だった」と言われる日が来るかもしれません。
この企業の“賭け”に、私は乗る
技術への執念、開発への覚悟、そして独占を維持する胆力。
レーザーテックの歩みは、投資家にとって一見“不安定”に見えるかもしれません。
でも私は、こう感じています。
「これは不安定なのではなく、“未来への賭け”だ。
そしてその賭けに、私は自分の資金と時間を乗せることにした。」
それが、私がレーザーテックに投資した決定的な理由のひとつです。
第4章|短期の揺れは覚悟のうえ──私の保有判断と“その先”の景色
半導体株を保有する上で、決算前後の株価変動は避けて通れません。
レーザーテックも例外ではなく、これまでも決算後に急落することは幾度もありました。
事実、私が初めてこの銘柄に本格的に投資した2025年7月下旬も、PER20倍超のタイミングで買い付けた直後に株価は下落しました。「また高値掴みか…」と、悔しさと不安に押し潰されそうになったのを、今でも鮮明に覚えています。
でも、それでも私は──
売りませんでした。
なぜなら、私は「価格」ではなく「価値」を見ているから
投資を20年続けてきて、ようやくたどり着いた私なりの答えがあります。
「短期の価格変動に一喜一憂するよりも、企業の“本質的価値”を見極め、それに賭ける」
そして今のレーザーテックは、私にとってまさにその「価値ある企業」だと確信しています。
・独占的な技術ポジション
・高い成長率と利益率
・未来への投資を惜しまない姿勢
・そして、High-NAという未開拓市場への先行者優位
この4つが揃っている企業が、日本にいったい何社あるでしょうか?
RAK戦略の主軸として「持ち続ける強さ」
私が挑戦している「RAK戦略」は、財務が健全であり高い成長力と技術力に長けた3銘柄に集中し、3年間で資産を2.5倍に増やす計画です。
その中でも、レーザーテックは守りと攻めを兼ね備えた最重要コア。
だからこそ、私はこの企業について、日々のニュースや決算はもちろん、その“物語の進行”を、長期的な視点で見守り続ける覚悟を持っています。
「決算で下がったら買い増しですか?」という問いに、私はこう答えます。
私自身は──買い増しません。というより、“買い増せません”。
なぜなら、RAK戦略における元手400万円は、すでにレーザーテック・エイピア・クダンの3銘柄にフルベット済みだからです。
余力はゼロ。だから私は、“この3銘柄で勝負する”という決断を済ませた投資家です。
でも、この記事を読んでいるあなたは──
もしかしたら、まだエントリーを迷っていたり、決算を見てから買いたいと考えているかもしれません。
では、仮に決算後にレーザーテックが下落したら「買うべき」なのか?
私の結論:買うに値する。ただし“目線”が3年以上あるなら。
この問いに対して、私は「YES」と答えます。
なぜなら、レーザーテックは今の時点でPER17倍台、営業利益率は34%、ROEは38%。
これほどの数字を持ち、High-NAという成長ドライバーを今まさに仕込み中の企業が、仮に一時的な決算ミスで叩き売られるなら──それは長期投資家にとって大きなチャンスです。
ただし、ひとつだけ条件があります。
“3年後の姿を信じて待てるか”
もし「今期の受注が弱かったら嫌だな」と思うようであれば、無理して入る必要はありません。
でも、もしあなたが──技術の構造的な強さと、独占的ポジションの価値を理解し、“今後3〜5年でレーザーテックが再び主役になる可能性”に賭けられるのであれば、その一時的な下落は、むしろ「時間を買える好機」になると、私は考えています。
最終章|結びのアップデート版(デイトレード色を考慮)
レーザーテックは、デイトレーダーを含む短期筋に非常に人気のある銘柄です。
そのため、決算やニュースに対する反応は時に過剰で、一日に数百円単位で上下する激しい値動きも珍しくありません。
それゆえに──「今は高すぎるのでは?」「決算で下がったら危ないのでは?」という声が出るのも当然です。
ですが、私はこう考えます。
「値動きの大きさ」と「企業の価値」は別物だと。
たしかに、短期的にはチャートが乱高下し、損益に一喜一憂する場面もあるかもしれません。
しかし、その値動きの裏側で、レーザーテックという企業は着実に“未来に向けた投資”を続けている。
High-NAへの挑戦、研究開発への惜しみない支出、独占技術の磨き上げ──
それらは株価よりもはるかに“重く、確かな価値”を持っています。
私にはもう買い増せる余力はありません。
でも、もし今この企業に出会ったあなたが、目先のブレではなく、3年後・5年後の姿に興味があるのなら──
この銘柄は、一度きりの勝負ではなく、未来の可能性に“腰を据えて向き合う”投資先として、十分に検討に値すると、私は本気でそう思っています。
私はもうポジションを取りました。
そして、今週の決算も、来年の変化も、すべてを「企業の成長の一部」として見守る覚悟があります。
レーザーテックの株価は、これからも荒れるでしょう。
でも、そのノイズに惑わされず、“企業そのもの”を見つめ続けることができる人にとって、この銘柄は、真の意味での「投資先」になるはずです。
📝この記事は、2025年8月発表予定のレーザーテック決算に先立ち、私の投資理由を整理・言語化したものです。投資判断の一助となれば幸いです。
もしこの記事が少しでも参考になったと感じていただけたら、
X(旧Twitter)でも応援いただけると本当に嬉しいです。
コメント