クダン(4425)|夢枠は本当に“加速”しているのか?
2026年3月期第1四半期決算発表(8月14日[木]予定)が目前に迫っています。
RAKS戦略の「夢枠」、クダン(4425)がこの3か月でどこまで前進したのか。数字と材料をもとに、未来への加速を占います。
この小さな企業が挑んでいるのは、空間認識(Visual SLAM)という、現実世界をデジタル化して読み取る最先端技術。
これがロボットや自動運転、インフラ点検など、未来産業の心臓部に組み込まれる日が来れば——株価は今の何倍にも化けるかもしれません。
Visual SLAMが切り拓く数十兆円市場
クダンの核となるVisual SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)は、カメラやセンサーで取得した映像から周囲の3Dマップをリアルタイムに構築し、自機の位置を正確に把握する技術です。
一見マニアックに聞こえますが、これは未来産業における「空間の目」。自動運転車、産業ロボット、ドローン、AR/VR、スマートシティなど、あらゆる分野で欠かせない基盤技術です。
世界のSLAM関連市場は年率20%超で拡大し、SLAM単体でも将来は数兆円規模へ。
しかし、その応用分野を含めると話は別です。自動運転・先進運転支援システム(ADAS)は2030年に40兆円超、産業用ロボット市場は20兆円超、AR/VR市場は40兆円超と予測されており、SLAMはその中核を担う技術として不可欠です。
つまりクダンは、単なる数兆円市場ではなく、波及先まで含めれば数十兆円規模の産業変革の入り口に立っています。もし商用化が加速すれば、小さな売上の積み上げが一気に市場評価を変え、株価を大きく押し上げるポテンシャルを秘めています。
※ ただし、SLAM技術が全ての産業に採用される保証はありません。競合技術の進化やコスト面、産業ごとのニーズの違いによって、普及の範囲やスピードは変動する可能性があります。
直近の注目材料
ここ3か月間の動きを振り返ると、国内外で複数の成長の芽が着実に育ちつつあります。
🚀 MacroInsight社との協業深化(2025年6月26日)
今年6月、台湾・台北市のMacroInsight社と手を組み、台湾政府が主導するスマート造船所プロジェクトへの参画を発表。デジタルツイン・コマンドセンター構築や安全監視・予知保全を推進。現場の可視化と効率化を同時に実現する先端プロジェクトです。
現場安全監視・予知保全の試験実装段階 → 2025年度内に本格導入予定
🌍 ERASMOプロジェクト進展
欧州を中心に自動運転・物流分野の国際共同研究が進行中。
欧州での実証実験フェーズ継続中 → 2026年以降の商用化モデル検証へ
📌 NEDO国家プロジェクト採択
国内では、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の国家プロジェクトに採択。
採択決定、研究開発スタート → 2029年度までに実用化目標
世界と日本の両面で、静かに布石を打ち続けています。売上に結びつくのは、まだ先ですが、事業の進捗が着実に進んでいるのかを決算でチェックしましょう!
🎯 今回の決算で注目すべきポイント
2026年3月期第1四半期決算では、夢を数字がどれだけ追いかけてきているかが焦点になります。
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売上高:前年や前期比での加速が見えれば市場はポジティブ反応
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営業損益:赤字幅の縮小は商用化の足音。拡大なら投資内容を要チェック
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受注残高・PoC案件数:未来の売上の“種”。増えていれば数値化は時間の問題
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キャッシュポジション:あと何四半期持つかを示す安全余命。夢を追う酸素タンク
ラックのひとこと
今回の2026年3月期第1四半期決算は、依然として赤字の可能性が高いと見ています。
これは過去のIRや事業計画を踏まえれば想定内でしょう。
しかし、それはすでに株価に織り込まれており、短期的な損益の色よりも重要なのは、将来の売上に直結する事業の芽がどれだけ伸びているかです。
受注やPoC案件の進捗、協業プロジェクトの具体化、利益率改善の兆し——こうした“未来を形づくる要素”が積み上がっていれば、赤字決算であっても中長期の成長ストーリーは揺らぎません。
クダンはRAKS戦略の中でも高リスク・高リターンの夢枠です。過度な決算期待で一喜一憂するより、「数年先の絵」を描きながらじっくり保有する姿勢こそが、この銘柄の醍醐味と言えるでしょう。
もしかしたら数年後、「あの時の我慢が報われた」と思える日が来るかもしれません。
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