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【決算分析】ソラコム(147A)1Q|純利益40倍、海外売上比率47%で好発進

決算 ソラコム(147A)

ソラコム、1Qは増収増益で好スタート

純利益はわずか1年で約40倍──数字が示す通り、2026年3月期第1四半期のソラコムは鮮烈なスタートを切りました。

売上高は前年同期比17.7%増、純利益はわずか1年で約40倍。その背景には、安定収益の柱であるリカーリング型ビジネスの拡大と、AIとIoTを融合させた新戦略の加速があります。

しかも成長は国内にとどまらず、海外売上比率は47%超。
為替や景気の変動に左右されにくい“多地域・多収益源”のビジネスモデルが、今期も着実に成果を出し始めています。

決算ハイライト

指標 実績 前年同期比 コメント
売上高 22.26億円 +17.7% 安定収益の柱であるリカーリング比率が83%を超え、着実な積み上げ型成長。
営業利益 1.27億円 +35.0% 投資負担増を吸収し、利益率改善。基盤の強さが見える。
経常利益 1.20億円 +390.6% 為替差損減少と本業の利益拡大が大きく寄与。
純利益 1.12億円 前年の20万円台から一気に1億円超へ。インパクト抜群の黒字転換。
EBITDA 1.74億円 +29.7% キャッシュ創出力が向上し、成長投資の余力も拡大。

この1Q決算、数字をただ並べただけでは伝わらない“強さ”があります。

売上は順調に積み上がり、利益は前年の比ではない伸びを見せています。

しかも、この利益の伸びは一過性の特需ではなく、毎月安定して入ってくる課金収入の増加が土台になっている点が大きい。

さらに、AIとIoTを組み合わせた新サービスが顧客にしっかり浸透し始めており、追加契約や解約率の低下といった好循環が生まれています。

数字以上に、この会社の“稼ぐ仕組み”が着実に強化されていることが、決算内容から読み取れます。

次の四半期で、この勢いがどこまで伸びるのか注目です!

成長の原動力

  • リカーリング収益の拡大
    プラットフォーム利用料が前年同期比+19.7%。顧客アカウント数とARPA(平均売上/アカウント)がそろって成長。

  • AI×IoT戦略の成果
    IoTデータをAI解析に活用する「リアルワールドAIプラットフォーム」構想が、顧客の追加契約や解約率低下につながり始めている。

  • 海外展開の加速
    北米・欧州・アジアと複数地域で収益を確保。海外売上比率は47.3%で高水準を維持。日本市場の動向だけに振り回されない構造も魅力。

財務面

  • 自己資本比率 78.8% → 借入依存度が低く、成長投資余力は十分。

  • 現金及び預金 92.25億円(前期末比+3.07億円) → 資金繰りの安全性は高い。

  • 有利子負債 8.75億円 → M&Aや設備投資に柔軟に対応可能。

  • 売掛金・契約資産の回収が進み、運転資金効率が改善。

事前注目ポイントと今回の結果

注目ポイント 事前の期待値 1Q実績 評価
① リカーリング収益成長率 通期+38%ペースを維持 18.45億円(前年同期比+19.7%) ▲ 四半期成長率はやや控えめだが、顧客数・ARPAともに堅調増。年間達成には後半加速が必要。
② グローバル売上の伸び +30%以上 10.53億円(前年同期比+28.4%) ○ 高水準を維持しつつ、北米・欧州が牽引。
③ 丸紅協業のシナジー進展 8月の子会社化後に動き出し 今期中にMVNO基盤統合を開始予定 △ 数字反映はまだ先だが、準備は順調。
④ AI of Things商用化ペース 実証から商用化へ移行 PoC案件拡大、商用化契約は準備段階 △ 期待は維持も、売上寄与はこれから。
⑤ EBITDAマージン二桁化 10%以上 7.8% × 今期は投資負担で一桁。ただし売上成長が続けば改善余地大。

今回の1Qは、グローバル売上と安定収益基盤は順調に伸びたものの、リカーリング収益の通期目標ペースとEBITDAマージン二桁化は課題が残る結果となりました。

とはいえ、丸紅協業やAI of Things商用化はまさに「これから動き出す」領域であり、2Q以降の伸びしろは十分。

特に海外売上比率が47%に迫る水準まで高まっている点は、中長期の安定成長を見据える上で大きなプラス材料です。

株価の割安・割高感(2025年8月14日時点)

  • 株価:985円

  • 時価総額:446億円

  • PER:88.73倍

  • PBR:4.42倍

PER88倍は現状の利益水準と比較すればかなり高い評価水準です。

これは短期的に割安感を求める投資家には敬遠される可能性がありますが、今回の決算では海外売上比率の上昇や純利益の大幅増など、成長の質が明確に改善した点が評価を支えています。

PBR4.42倍は、利益だけでなく保有資産や将来のキャッシュ創出力に対しても高い期待がかかっている状態を示しています。

今回の1Q決算で見られた安定収益基盤と新規事業の伸びは、市場が「数年先の拡大シナリオ」をより強く信じる要因になったと考えられます。

今後の注目点:丸紅グループとの協業

2025年8月に予定されている、丸紅グループのMVNO事業「ミソラコネクト」の子会社化は、ソラコムにとって単なる売上加算にとどまりません。

  • 法人向け通信インフラの即時拡充:既存顧客に加えて、丸紅の取引先やネットワーク資産を活用可能。

  • 新市場の開拓:エネルギー、物流、海外インフラなど丸紅が強みを持つ分野でのIoT・AI導入チャンス。

  • スピード感のある事業展開:ソラコム単独では時間のかかる分野でも、丸紅の販路を使えば短期間で拡大可能。

この提携の成否は、ソラコムの成長スピードを大きく左右する可能性があります。1Q時点ではまだ数字に反映されていませんが、今後の決算では売上構成や利益率の変化に要注目です。

専門用語解説

  • リカーリング収益:毎月または毎年繰り返し発生する定額課金売上。安定性が高く企業価値向上に寄与。

  • ARPA:Average Revenue Per Account。1顧客アカウントあたりの平均売上高。

  • EBITDA:税・利息・減価償却前利益。企業の現金創出力を測る指標。

ラック(管理人)の結論

私は決算前、どうしても1,000円以下で買い増したくて、決算マタギ(=決算発表の直前または直後に株を持ち越すこと)のリスクを感じながらも985円で400株を追加購入しました。

これで現在の保有株数は700株、目標は1,000株です。

今回の1Q決算は、数字的にも戦略的にも十分にポジティブで、むしろ追加購入を後押しする内容でした。

売上・利益の伸びはもちろん、安定収益の土台と海外売上の高さが、今後の丸紅協業やAI of Things商用化に直結してくると確信しています。

短期的な株価変動はあるかもしれませんが、私はこの成長シナリオに乗る価値があると判断しています。

次の決算までに、再び1000円を割れるような下押しがあれば、迷わず残り300株を買い増して目標の1,000株に到達させるつもりです。

これはあくまで私の決算分析と投資判断に基づく主観であり、投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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