コアサテライト戦略 連載シリーズ(第4弾)
こんにちは、20年投資家のラックです。
本記事は「コアサテライト戦略 連載シリーズ」の第4章となります。
これまで私は、資産運用における「守り」と「攻め」を分離し、それぞれに最適な戦略を当てはめる**“コアサテライト戦略”**を提唱してきました。
-
第1章では、全体戦略の概念と背景を
-
第2章では、安心の土台となる「コア資産」
-
第3章では、3年で資産2.5倍を狙う「サテライト資産」=ラック戦略
として、それぞれの役割と構成を紹介してきました。
そして今回の第4章では、いよいよ**「コアとサテライトをどう組み合わせ、どんなバランスで維持すべきか」**という実践的なテーマに踏み込みます。
はじめに:投資に“軸”が必要な理由
投資というのは、想像以上に**「心が揺れるゲーム」**です。
相場が荒れれば不安になり、暴落が来れば逃げ出したくなる。
逆に、急騰すれば「もっと買っておけばよかった」と後悔する。
20年という投資の時間を通じて私が痛感したのは、
「感情に振り回されないためには、自分なりの“軸”が必要」ということでした。
そしてその軸とは、
✅ 「コアで守り、サテライトで攻める」
✅ 「コアは揺らさず、サテライトで柔軟に勝負する」
という“攻守分離の設計”でこそ、確かなものになると確信しています。
今回の記事では、そんな私の投資哲学を支える
「コアとサテライトの最適なバランス」について、具体的にお話していきます。
1. コアとサテライト、それぞれの“役割”とは?
コア資産は、投資における“地盤”や“保険”のような存在です。
私のコア資産は、全世界株式インデックスやS&P500、iDeCoによる長期積立などで構成されています。これらはリスクを取りすぎず、将来の生活費や老後資金、学費など“人生の本線”を守る役割を担っています。
相場がどう動こうと、コア部分は崩さない。
どんな局面でも、精神的な安心感を保てる「守りの要」です。
特に以下のような機能を意識して組んでいます。
-
✔ 世界経済全体に投資することで、個別リスクを排除
-
✔ 長期・積立・分散を軸に、市場の成長を味方にする
-
✔ 資金流出が起きにくい構造(iDeCo、NISA)で自制効果もある
サテライト資産の役割:「成長エンジン」と「夢の追求」
一方、サテライト資産は、言うなれば“勝負師の領域”です。
私は現在、レーザーテック・エイピア・クダンの3銘柄に集中投資する「ラック戦略」によって、3年間で資産を2.5倍に増やすことを目標としています。
このサテライト部分は、以下のような性質を持たせています。
-
✔ 高い成長期待がある少数の銘柄に絞る
-
✔ 市場変化に応じて戦術的な変更が可能
-
✔ 資金がゼロになっても、生活に影響を与えない金額
つまり、「リスクを取っても良い金額で、大きな夢を追いかける」のがサテライトの本質です。
攻守の役割を明確に分けることで、“精神的な安定”が得られる
ここで私が重視しているのは、資産を分けることで得られる「精神的な安定」です。
✔ サテライトが含み損を抱えても、「コアがあるから落ち着ける」
✔ コアが堅調なら、「勝負はまだできる」と気持ちを保てる
投資における最大の敵は、相場ではなく「自分の感情」です。
その感情を安定させるために、「コアとサテライトの役割分担」は非常に有効なのです。
2. コアとサテライトの理想的な比率は?
「コアとサテライトのバランスはどう決めるべきか?」という問いに、“正解”はありません。
なぜなら、それは年齢・資産規模・収入の安定性・リスク許容度・目標達成までの時間など、その人の「生き方」によって異なるからです。
ただ、私自身が20年の投資経験と失敗から学んだ中でたどり着いた、一つの現実的な目安があります。
私の黄金比は「コア:サテライト=8:2」
現時点での私の資産配分は、おおよそ次のようになっています。
-
コア資産:約1800万円(約80%)
-
全世界株式インデックス(積立NISA)
-
NASDAQ100(新NISA成長枠)
-
iDeCo(楽天・S&P500)
-
-
サテライト資産:約400万円(約20%)
-
レーザーテック・エイピア・クダンへの集中投資
-
この「8:2」という比率が、私にとって最も「心が安定し、かつ成長も狙える」黄金比でした。
なぜ「2割」で勝負するのか?
これは、「全体資産がゼロになる最悪ケースを想定したうえで、どこまで許容できるか」という逆算思考です。
-
✅ 2割がゼロになっても、8割が守られていれば再起できる
-
✅ 2割の集中投資なら、仮に5倍になれば全体資産が+80%増という大きなインパクトに
つまり、リスクに対してリターンの期待値が見合うサイズとして、私は「20%ルール」を自分に課しています。
時間軸との関係も考慮
若い時期や「今が勝負のタイミング」と感じるときは、サテライト比率を高めても良いかもしれません。
ただし、以下のような指針を一つの目安にしてみてください。
ライフステージ | サテライト比率の目安 |
---|---|
20代・挑戦期 | 30〜40% |
30〜40代・資産形成期 | 20〜30% |
50代以降・守りの時期 | 10〜20% |
私の場合、今は「最後の挑戦期」と定め、3年間限定で“サテライト2割集中”という選択をしています。
3. 相場に揺さぶられない“心の設計図”
投資の最大の敵――
それは暴落でも、損失でもありません。
もっとも厄介なのは、
「感情のブレ」です。
いくら戦略を練っても、相場が乱高下すれば、人は迷い、恐れ、売ってしまいます。
逆に、根拠なく上昇すれば、欲が膨らみ、リスクを取りすぎてしまうことも。
こうした感情の波に飲まれないために、私は「コアとサテライトを分けること」で、心の土台を築いてきました。
コア資産が「動かない理由」を持っている安心感
コア資産は、原則として毎月積立 or 一括投資済で“放置”する資産です。
だからこそ、相場がどう動こうと、こう自分に言い聞かせられます。
「これは老後資金。今、動かすものではない」
「世界全体に投資しているのだから、短期の上下は気にしない」
この「動かさない理由」を、明文化しておくことで、心の支えができます。
サテライト資産は“揺れてもいい場所”と割り切る
サテライトは、短期の含み損・含み益が大きくなりがちです。
でも私は、次のように“心の設計”をしています。
-
含み損が出ても:「ここで揺れるのは当然。コアは守られている」
-
含み益が出ても:「調子に乗るな。全体の一部にすぎない」
-
評価額が半分になっても:「生活資金ではない。ここは戦場だ」
要するに、「ここは戦っていい」「負けても立て直せる」という精神的余白を持たせているのです。
投資戦略 ≠ 利益計画だけではない
私がこの「コアサテライト戦略」を貫く最大の理由は、利益を得るためではなく、感情に支配されず、続けるためです。
-
投資は“継続”できた人が最後に勝つ
-
続けるためには、“心が折れない設計”が必要
-
だから私は、“構造”で心を守っている
これは、過去に3度の大きな損失を経験した私の、痛みから学んだ教訓です。
4. コアがあるから攻められる、という真実
投資で大きな成果を出している人の多くは、「一点集中型」に見えるかもしれません。
実際に、ある銘柄で数倍、数十倍を達成するには、大胆な決断が必要です。
ですが私が実感しているのは、
“大胆な攻め”を支えているのは、“守りの資産”である
という事実です。
守りがあるから、攻めに専念できる
私の主力銘柄であるレーザーテック・エイピア・クダンは、
いずれも高成長を狙う“夢”のある投資先です。
しかし、それは同時に大きな値動きや調整局面も伴います。
そんなときに、全資産をそこに賭けていたら、心が持ちません。
でも私は「コア資産(=全世界株やNASDAQ)」をしっかり保有しているからこそ、仮にサテライトが一時的に下がっても、こう思えるのです。
「生活は守られている」
「インデックスがあるから、資産全体はゆっくり増えている」
この“後ろ盾”があることで、攻めの戦略にブレがなくなるのです。
コア=「保険」ではなく「推進力」
コア資産は「守り」と捉えられがちですが、実は“攻めを支えるためのエンジン”でもあります。
たとえば、
-
サテライトで損失が出ても、毎月の積立で資産全体が育っていく
-
コアで得た信頼感・安心感が、サテライトの“待つ勇気”につながる
-
インデックス投資で身につけた「時間の味方にする感覚」が、短期のブレを受け流せるようにしてくれる
つまり、コアがあるからこそ、リスクを取れるし、長く持ち続けられる。
この関係は、単なる分散投資とは一線を画すものです。
コアの存在が「撤退ライン」を明確にする
「もしサテライトでうまくいかなかったら、どうするの?」
よく聞かれる質問です。
私の答えは明確です。
「3年で成果が出なくても、コア資産は減っていない。そこで再構築すればいい。」
この“出口”が見えているからこそ、私は今、全力で攻められます。
そしてこの構図を支えるのが、“信頼できるコア資産”の存在なのです。
第4章のまとめ|あなたなりの“攻守の方程式”を描こう
コアとサテライトのバランスは、資産運用における「攻守の設計図」とも言える存在です。
大切なのは、“正解”を探すことではなく、自分の納得と安心感を得られる比率を見つけること。
私の場合、コア資産が約1,800万円(全体の約80%)、サテライト資産が約400万円(20%)という構成が、リスクとリターンのバランスを取りつつ、自信を持って挑戦を続けられる「ちょうどよい形」でした。
あなたにとっての理想的なバランスは、年齢、投資経験、生活状況によって変わってくるはずです。
だからこそ、一度決めた比率に縛られる必要はなく、定期的に見直す柔軟さを持つこともまた、資産運用の大切なスキルです。
次章では、そんな“比率の考え方”をさらに深掘りしながら、
**あなたにとって納得できる「攻守の構え方」**を一緒に探っていきます。
これまでの連載をまだ読んでいない方へ
「コアサテライト戦略 連載シリーズ」は、資産運用を“攻守”の視点で整理するための実践記録です。
これまでの章では、戦略の全体像から具体的な運用方針まで、私自身の体験をもとに解説しています。
📘 過去の連載記事:
👉 第1章|コアサテライト戦略とは何か?守りと攻めを両立する投資スタイル
👉 第3章|サテライト資産の挑戦:集中分散型”ラック戦略”の真髄に迫る
🎯 この連載の最終章はこちら!
👉 最終章|資産1億円を目指す私の投資戦略:コアとサテライトで描く未来地図
コメント